パーカッションの楽譜は簡単に見えた。
音階がないからね。
プロになろうだとかって考え、あるわけなかったし
大体分かればよかった。
リズム感は優れていたらしく、1度楽譜をみればその通りに叩けた。
練習時間も、意味がないものに思えて行かなくなるんだけど
それはまだ先のハナシ。
2つ上の先輩がさ、おとなしい人なんだけど
やたらドラム上手くて気になった。
ユキからしたら
「あいつ、上手いな」
って程度だったんだけど
まぁ、お年頃だからね。
同じ部活のコにそんなハナシをしたら
「ユキが鈴木先輩のこと好きだって!」
ってことになってて
やたらまわりが勝手に事を運ぶ。
夏だったかな?
勝手に自分の事好きだという噂を鵜呑みにした彼に告られたのは。
別に断る理由もないから付き合うことにした。
鈴木先輩の家は市営の小さな団地で
夏休みになるとその団地に住む同年代のコ達と
よく団地公園に集まるようになった。
今だから言うけどさ、その中に陽ちゃんがいたんだよね。
昼間から花火をしたり
たまにはお酒を飲んだり
自転車でカラオケにいったり
まぁ、それなりに青春らしいことしてたのかな。
夏の終わり、初めての出来事がおこった。
鈴木先輩と、部屋で二人きりになった。
窓の外は夕焼けで
まだ電気を付けていない部屋の中は
オレンジ色してた。
中学3年生と1年生。
まさに初体験ってやつ?
あんまり覚えてないけど
いいよ。とも、やめて。とも言わなかったのは
どうでもよかったからかな。
短い夏休みは終わった。
新学期が始まると
誰が言ったのかわからないけど
ユキと鈴木先輩の「出来事」は広まっていた。
あっという間に問題児扱いされ
毎日お昼の休み時間になると
生活指導室に呼び出された。
先生は毎日同じ事を言った。
「自分を大切にしなさい」



音階がないからね。
プロになろうだとかって考え、あるわけなかったし
大体分かればよかった。
リズム感は優れていたらしく、1度楽譜をみればその通りに叩けた。
練習時間も、意味がないものに思えて行かなくなるんだけど
それはまだ先のハナシ。
2つ上の先輩がさ、おとなしい人なんだけど
やたらドラム上手くて気になった。
ユキからしたら
「あいつ、上手いな」
って程度だったんだけど
まぁ、お年頃だからね。
同じ部活のコにそんなハナシをしたら
「ユキが鈴木先輩のこと好きだって!」
ってことになってて
やたらまわりが勝手に事を運ぶ。
夏だったかな?
勝手に自分の事好きだという噂を鵜呑みにした彼に告られたのは。
別に断る理由もないから付き合うことにした。
鈴木先輩の家は市営の小さな団地で
夏休みになるとその団地に住む同年代のコ達と
よく団地公園に集まるようになった。
今だから言うけどさ、その中に陽ちゃんがいたんだよね。
昼間から花火をしたり
たまにはお酒を飲んだり
自転車でカラオケにいったり
まぁ、それなりに青春らしいことしてたのかな。
夏の終わり、初めての出来事がおこった。
鈴木先輩と、部屋で二人きりになった。
窓の外は夕焼けで
まだ電気を付けていない部屋の中は
オレンジ色してた。
中学3年生と1年生。
まさに初体験ってやつ?
あんまり覚えてないけど
いいよ。とも、やめて。とも言わなかったのは
どうでもよかったからかな。
短い夏休みは終わった。
新学期が始まると
誰が言ったのかわからないけど
ユキと鈴木先輩の「出来事」は広まっていた。
あっという間に問題児扱いされ
毎日お昼の休み時間になると
生活指導室に呼び出された。
先生は毎日同じ事を言った。
「自分を大切にしなさい」
小学校に行かなくなったユキだけど
中学生にはなれた。
だって、義務教育だもの。
小学生の頃、「僕」はユキの中で大きく存在していたけど
中学生になったらユキの方が強くなった。
中学校は、二つの小学校が一緒になるから人数が多くなるわけだけど
それでも80人弱。2クラスだね。
あんなに一緒に過ごした伊織とは隣のクラスになって
伊織にも違う友達ができた。
たまに手紙をまわしていたけど
部活も違うものに入って
だんだん話さなくなっていた。
でも伊織のことは大好きだよ。
執着をしないんだ。ユキも僕も。
ユキは吹奏楽部に入った。
だって、運動はキライだもの。
小学4年生の時だったかな、
テレビで見た「黒夢」に魅せられてから
音楽が好きになり
中学では軽音楽部に入りたかったんだけど
なかったんだよね。
それで、吹奏楽部。
吹奏楽部にはユキが魅せられるような
「ロック」な楽器があった。
ドラムね。
ブラバンにはかかせないよね。
ユキはパーカッションを希望した。
みんな、サックスだとかフルートに希望が集中したから
あっさり通った。
その吹奏楽部で
初めての転機が訪れる。

SOUNDBIZ RECORD SHOP
中学生にはなれた。
だって、義務教育だもの。
小学生の頃、「僕」はユキの中で大きく存在していたけど
中学生になったらユキの方が強くなった。
中学校は、二つの小学校が一緒になるから人数が多くなるわけだけど
それでも80人弱。2クラスだね。
あんなに一緒に過ごした伊織とは隣のクラスになって
伊織にも違う友達ができた。
たまに手紙をまわしていたけど
部活も違うものに入って
だんだん話さなくなっていた。
でも伊織のことは大好きだよ。
執着をしないんだ。ユキも僕も。
ユキは吹奏楽部に入った。
だって、運動はキライだもの。
小学4年生の時だったかな、
テレビで見た「黒夢」に魅せられてから
音楽が好きになり
中学では軽音楽部に入りたかったんだけど
なかったんだよね。
それで、吹奏楽部。
吹奏楽部にはユキが魅せられるような
「ロック」な楽器があった。
ドラムね。
ブラバンにはかかせないよね。
ユキはパーカッションを希望した。
みんな、サックスだとかフルートに希望が集中したから
あっさり通った。
その吹奏楽部で
初めての転機が訪れる。
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僕には幼い頃の記憶はないけど
ずっと昔からユキと一緒にいた。
相談を交わすような仲ではないけど、空気のような存在かな。
ずっとお互い、友達を作るのは苦手だったけど
小学校はね、小さいところでさ。
19人しかいない学年だったからもちろんクラス替えもない。
不思議と居心地がいい場所だったね。
凄く仲のいい子がいたんだ。
伊織ちゃんっていうオンナノコだった。
休み時間になるといつも一緒に絵を描いていてね。
授業中だって手紙をまわしたり
しゃべってばかりでよく注意されていたな。
今、思うとさ、ずっと伊織といたら…
こんなに病んだりとかすることもなかったのかもしれないな。
僕の人生も、君の人生も、もっと素晴らしいものだったかもしれないね。
彼女には不思議なパワーがあったんだ。
そんな僕だけど、6年生になると学校へ行かなくなった。
正確には「ユキが」だけどね。
「6年間の思い出を絵にしよう」
「思い出に残ったことを作文にしよう」
頭が痛くなる授業が続いたからだ。
ユキにとって
国語や算数が「お勉強」だったからね。
行く必要がないと思っちゃったんだね。
だいたい感情が薄いユキや僕に
思い出に残るような行事はないのだから。

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ずっと昔からユキと一緒にいた。
相談を交わすような仲ではないけど、空気のような存在かな。
ずっとお互い、友達を作るのは苦手だったけど
小学校はね、小さいところでさ。
19人しかいない学年だったからもちろんクラス替えもない。
不思議と居心地がいい場所だったね。
凄く仲のいい子がいたんだ。
伊織ちゃんっていうオンナノコだった。
休み時間になるといつも一緒に絵を描いていてね。
授業中だって手紙をまわしたり
しゃべってばかりでよく注意されていたな。
今、思うとさ、ずっと伊織といたら…
こんなに病んだりとかすることもなかったのかもしれないな。
僕の人生も、君の人生も、もっと素晴らしいものだったかもしれないね。
彼女には不思議なパワーがあったんだ。
そんな僕だけど、6年生になると学校へ行かなくなった。
正確には「ユキが」だけどね。
「6年間の思い出を絵にしよう」
「思い出に残ったことを作文にしよう」
頭が痛くなる授業が続いたからだ。
ユキにとって
国語や算数が「お勉強」だったからね。
行く必要がないと思っちゃったんだね。
だいたい感情が薄いユキや僕に
思い出に残るような行事はないのだから。
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ここで、少しだけ僕の事を書こう。
僕は、ずっと昔からユキと一緒にいたんだ。
ユキと「僕」
存在に気付いたのは小学生の頃だったかな。
僕も、ユキと同じく淡々としている部分がある。
毒を吐くようなことはしない。
平和主義なんだ。
キングって名前は、ユキがつけてくれた。
彼女は某ドラマにハマっていたからね。
好む服装や髪型が、僕は、ユキやまいとは違うから
ちょっと苦労することもあるけど
僕である時の記憶はユキにもちゃんとあるから
そんなに迷惑はかけてないと思うよ。
好みのタイプは、どこか幼いようなオンナノコ。
昔ね、毎日同じ電車に乗っていた頃にさ、
告白されたことがあるんだ。
僕は彼女にやさしくしたよ。
僕でいられる時間は、そう長く続かないから
彼女と付き合う事は出来なかったけどね。
僕の役割は、思考や分析だから、
生活はしないんだ。
こうして文章を書くのも僕の役目だけど
学校へ行ったり仕事へ行ったりするのは僕のすることではないからね。
僕が仕事を決めて
僕が面接に行ったなら
僕が仕事をすることも可能かもしれないけどね。

道・楽サーバ

僕は、ずっと昔からユキと一緒にいたんだ。
ユキと「僕」
存在に気付いたのは小学生の頃だったかな。
僕も、ユキと同じく淡々としている部分がある。
毒を吐くようなことはしない。
平和主義なんだ。
キングって名前は、ユキがつけてくれた。
彼女は某ドラマにハマっていたからね。
好む服装や髪型が、僕は、ユキやまいとは違うから
ちょっと苦労することもあるけど
僕である時の記憶はユキにもちゃんとあるから
そんなに迷惑はかけてないと思うよ。
好みのタイプは、どこか幼いようなオンナノコ。
昔ね、毎日同じ電車に乗っていた頃にさ、
告白されたことがあるんだ。
僕は彼女にやさしくしたよ。
僕でいられる時間は、そう長く続かないから
彼女と付き合う事は出来なかったけどね。
僕の役割は、思考や分析だから、
生活はしないんだ。
こうして文章を書くのも僕の役目だけど
学校へ行ったり仕事へ行ったりするのは僕のすることではないからね。
僕が仕事を決めて
僕が面接に行ったなら
僕が仕事をすることも可能かもしれないけどね。
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